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2011年04月06日

頑張ろう日本

2011シーズンF1ドライバーのヘルメット

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ヘルメットが注目されるのは、シーズン開幕や新しいカラーリングになったり

チャリティのためにオークションにかけられたりするときしかないんですが・・・

しかし2009年のハンガリーGP予選中のフェリペ・マッサの劇的な事故のため

ドライバーの安全と、特に過去数年間のヘルメットの大きな進歩に注目が集まりました


下のSSのヘルメットは、ドライバー頭部を守るためのヘルメットの最高傑作品です(未塗装品)

わずか1.2キロのカーボンファイバー製シェルは、なんと55トンの戦車の破壊力にも変形せず

800℃の炎に30秒間さらされても内部は70℃以上にならない

このFIA規定8860レーシング・ヘルメット

FIA研究所と一流ヘルメットメーカーにより長年の研究・開発によって作り上げられたものです

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これは2004年以降、世界のアライ(日本)、シューベルト(ドイツ)、ベル(アメリカ)の3社だけから

レース・ドライバーおよびラリー・ドライバーに供給されている驚くべき装備です


かつて2001年ベルギーGP、スパフランコルシャンサーキットでルチアーノ・ブルティ(プロストGP)は

エディ・アーバインと高速ダブルレフトコーナーの1つ目”ブランシモン”で接触し

そのままタイヤバリアに突っ込み赤旗中断となる大事故を起こしてしまいます

その時に使用していたヘルメット↓  ↓のSSです アゴの部分が砕けているのがわかります

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タイヤバリアに衝突した衝撃で、ステアリングにアゴの部分が当たって砕けたんでしょう

九死に一生の事故を起こし、これにより顔に打撲、そして脳震盪を患ってしまったブルティは

この事故がキッカケで実質的にF1でのキャリアを終えてしまいます

FIAやヘルメットメーカーも、もっと素材を強靭なものへと変更するキッカケとなった事故です


2004年からはHans( Head and Neck Support )デバイスも導入されました

四輪モータースポーツの世界において近年普及が進められている救命デバイスの一つです

ドライバーの体はシートベルトによりマシンに固定されているのに対して

頭部は固定されていないため、超高速でクラッシュするとルチアーノの事故のように

頭だけが激しく前のめりになってしまい、頭部にダメージを受けてしまいます

頭をステアリング等にぶつけることで脳が損傷を受けたり

頚椎部が損傷する事を防ぐという、ドライバーの装備がHANSです


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一般車両のデバイスとしてはエアバッグが今では標準装備されるようになりました

エアバッグは機構が複雑で、レーシングカーに組み込むのには向きません

現在のF1マシンのステアリングは、複雑なスイッチ類が配置されおり、スペース的にも無理です

また、レース中の接触等によりエアバッグが不必要に動作してしまうことがあっては一大事です

エアバックは、頭部の損傷防止には効果が高いものの頚椎部の損傷防止には効果が薄い

という研究の結果からFIAが、このHANSデバイスを導入しています



そして2009年ハンガリーGPの予選Q2に、不幸にもまた事故が発生してしまいます

先行するマシンから外れたスプリングがフェラーリのドライバー、フェリペ・マッサのヘルメットを直撃してしまいます

そのスプリングはバイザーとヘルメットの境目部分に正確に当たっており

その力は、砂糖袋を時速260kmで頭部にぶつけたのと同等の衝撃だという・・・・


①~④スプリングが当たるまでの画像です

赤い円で囲っているのは、飛んでくるスプリングです

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⑤~⑧は、脳震盪をおこし気絶状態ながらブレーキングし

サンドトラップを超え、タイヤバリアに激突するまでの画像です
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すぐさま、ヘリコプターで病院へ搬送され、頭蓋骨骨折がわかり緊急手術となりました

左目上部にも切り傷がなんとも生々しい・・・・・・
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一歩間違えば、失明の危険性もあったフェリペ選手(2010シーズンよりF1復帰)

この事故の後、ヘルメットメーカーの安全性向上の取り組みが絶賛されました

しかしながら、今回の事故でバイザー部分の脆弱性が浮き彫りとなり

ヘルメットのバイザーが開いたり外れたりしないような固定方法と

もっと強靭な素材への変更が研究され始めました


今シーズンからバイザー部分に導入されたのは、日本の東洋紡績のZYLON®(ザイロン)という素材

合成ポリマーであるザイロンは、防弾チョッキ、スノーモービルの駆動ベルト

そしてレーシングヨットの索具などにも、既に使用されているという素材です

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SSのバイザー上部の全幅を覆う50㎜高さのザイロンの帯がその答えです

これはバイザー上部の25mmを覆い、ヘルメット・シェルの端から少し突き出ています

この寸法は、ドライバーの視野を制限することなく特別な防護を確実にできるところです

ここは現在広告帯が貼られている場所を占めるので、ドライバーの保護を改善しても商業的な不都合もありません

衝撃エネルギー吸収特性が高く、性能と重量のバランスも大きな課題であったようですが

今回の導入で、バイザーは約70g重くなりましたが、衝突性能は倍増し安全性は確実に向上しています



 SLにおいても、ヘルメットはいくつか販売されていますが

プリム数が多いので、たくさんはディスプレーできないのが残念ですね

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DirtyLinksさんからは、カッコいいカラーリングのヘルメットがたくさん販売されています

SLでレースなさる方はマストアイテムかと思いますが
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価格もリーズナブルで、お部屋やガレージのディスプレーにもイイかも・・・

Dirty Links さんへのTP↓  ↓ こちらからどうぞ
http://slurl.com/secondlife/Bytegang/134/206/32



ヘルメットといい、このバイザーにつかわれた素材といいMade in JAPAN

世界にたった24人しかいないF1ドライバーですが、約半分がAraiユーザーです

このArai製のヘルメット、GP-6RCモデルは受注生産品で、お値段は50万円

レーシングドライバーが自分の命を預ける装備品ですが、けっして高いものではないと思います

しかし完璧への追求はまだまだ続き終わる事がないんでしょうね・・・

CUBIX RACING / kaz Galtier





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Posted by CUBIX GROUP at 12:12 │CUBIX RACING